淡路島と北海道で大きさが違う?! 「玉ねぎ Lサイズ」の真相

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仲田青果は兵庫県南あわじ市で特産玉ねぎの生産・卸売りをしています。
愛称は「淡路島いち玉ねぎ」。野菜ソムリエサミットで2年連続の金賞を獲得しました。
淡路島の玉ねぎ屋だからこそ知っている豆知識をコラムとして日々発信しています。

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スーパーで見かける「玉ねぎLサイズ」。
「L」と書かれていれば全国どこでも同じ大きさ…と思っていませんか?
実は淡路島産と北海道産では横径(直径)の基準が異なり、さらに北海道には「L大」という特有のサイズまで存在します。
この記事では、なぜ野菜に規格があるのか、産地ごとの違い、そして玉ねぎのサイズ早見表まで詳しくご紹介します。

■玉ねぎの規格(サイズ)ってなに?

玉ねぎに限らず、多くの野菜や果物には「規格」があります。
これは取引の共通言語のようなもので、大きさや形をあらかじめ基準化することで、

  • 生産者:出荷時にサイズを揃えやすい
  • 市場・卸売:入荷品の品質や価格を決めやすい
  • 小売:店頭での見栄えが整う
  • 消費者:サイズや価格の目安がわかりやすい
    というメリットがあります。

玉ねぎの場合は、横径(直径)で「S」「M」「L」「2L」などに分けるのが一般的です。
しかし、実はこの規格は全国で統一されていません。
産地や市場ごとに基準が少しずつ異なるため、同じLでも大きさが違うことがあるのです。

■北海道特有の「L大」サイズとは

北海道の玉ねぎには、全国的には珍しい「L大(えるだい)」というサイズがあります。
これはLサイズと2Lサイズの中間にあたる大きさで、

  • Lでは少し物足りない
  • でも2Lほどの大きさは不要
    といった需要に応えるために生まれた規格です。

北海道は日本最大の玉ねぎ産地であり、全国に幅広く出荷しています。
出荷先や業務用ニーズに合わせた細やかなサイズ分けが発展してきたのです。
淡路島など北海道以外の産地(府県産)では「L大」という呼び方は一般的ではなく、Lの上はすぐ2Lとなります。

■淡路島産Mサイズ=北海道産Lサイズ

規格(㎝)淡路島産北海道産
S6.0~7.05.0~6.0
M7.0~8.06.0~7.0
L8.0~9.57.0~8.0
L大―――8.0~9.0
2L9.5~12.09.0~

※農協・出荷組合の資料参照

同じ「Lサイズ」でも淡路産と北海道産で大きさが違います。
「淡路島産のMサイズ」は「北海道産のLサイズ」と同じ大きさであることがわかります。

■なぜ産地で規格が違うのか

この違いの理由は、気候・栽培期間・市場の歴史にあります。

  • 気候の違い
    淡路島は温暖で冬も比較的暖かく、生育期間が長いため、玉ねぎが大きく育ちやすいです。
    北海道は冷涼な気候で、短期間で一気に育てるため、やや引き締まった球になりやすいです。
  • 市場のニーズ
    関西市場では「大玉=高級感」として好まれる傾向がありますが、北海道は全国発送のため、持ち運びやすいサイズが好まれることもあります。
  • 歴史的背景
    北海道は日本最大の玉ねぎ生産地として、細やかな規格設定で大量出荷を効率化してきました。
    これが「L大」など独自規格の誕生につながりました。

同じLサイズでも、淡路島産はふっくら大きめ、北海道産はやや小ぶりで締まりが良いという傾向があります。
例えば…

  • 淡路島産L:1個約300g前後
  • 北海道産L:1個約200g前後

レシピの「玉ねぎ1個」は産地によって重量や水分量が変わるため、
カレーや煮物などの味や仕上がりに影響します。
産地とサイズを見て、料理に合わせて個数や切り方を調整すると、より安定した味になります。