秋~冬に「玉ねぎの芽が出た」は保存環境のミスマッチ?

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仲田青果は兵庫県南あわじ市で特産玉ねぎの生産・卸売りをしています。
愛称は「淡路島いち玉ねぎ」。野菜ソムリエサミットで3年連続の金賞を獲得しました。
淡路島の玉ねぎ屋だからこそ知っている豆知識をコラムとして日々発信しています。

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秋以降になると、「買ったばかりの玉ねぎから芽が出てきた」「淡路産玉ねぎなのに、思ったより日持ちしない」といった声が見受けられます。
結論からお伝えすると、これは玉ねぎの品質が悪いわけでも、保存が雑だったわけでもありません。多くの場合、原因はとてもシンプルです。

秋以降に流通する淡路産玉ねぎの状態と、家庭での保存方法が合っていない可能性が考えられます。

■秋以降に流通する淡路産の「冷蔵貯蔵玉ねぎ」

淡路島の玉ねぎは、春から初夏にかけて収穫されます。 しかし、私たちが一年中玉ねぎを食べられるのは、収穫後すぐの玉ねぎだけでなく、発芽を抑え、腐敗を防ぎ、品質を保つために、低温(およそ0〜2℃)で長期間貯蔵されているからです。

この冷蔵貯蔵は、市場流通や業務用ではごく一般的で、品質を守るために欠かせない工程です。

ただし、ここでひとつ重要なポイントがあります。

プロの冷蔵環境と一般家庭の保存環境は同じではない、という点です。

■なぜ玉ねぎから芽が出るのか

「玉ねぎ 芽」でネット検索される方が多いのは、「食べても大丈夫なのか」「すぐ捨てるべきなのか」「芽を出さない保存方法を知りたい」と不安になるからだと思います。

まず知ってほしいのは、玉ねぎの芽は異常ではなく、自然な生理反応であること。

玉ねぎは葉が何層にも重なった「鱗片(りんぺん)」という構造をしています。
その中心部には収穫時にすでに芽(生長点)が存在しています。

収穫後の冷蔵貯蔵中は「休眠」している状態です。
低温環境では発芽のスイッチがオフになり、成長を止めた状態(休眠)が保たれます。

一方で貯蔵庫(冷蔵庫)から出され常温に置かれると、温度・湿度が上昇し、表面や皮の内側に結露が起き、玉ねぎは「冬が終わった」「成長してよい」と勘違いします。
結果として芽が一気に伸び始めます。

■冷蔵貯蔵玉ねぎが常温保存に向かない理由

秋以降、淡路産玉ねぎを常温保存すると、芽が出やすくなる理由ははっきりしています。

・理由①温度差による結露
冷蔵環境から常温に移すことで玉ねぎの表面や皮の内側に水分が発生します。
この結露が発芽、カビ、腐敗を一気に進めます。

・理由②湿度をコントロールできない
家庭の常温環境は昼夜の寒暖差、暖房の使用などで湿度変化が大きく、玉ねぎにとっては不安定です。

・理由③呼吸量の増加
温度が上がると玉ねぎの呼吸量が増え、内部に蓄えていたエネルギーが消費されます。
そのエネルギーが芽を伸ばす方向に働くため発芽が進みます。

■玉ねぎの芽を防ぐ正しい保存方法

結論はとてもシンプルです。
秋以降の淡路産玉ねぎは冷蔵保存が基本

家庭用冷蔵庫では、野菜室ではなく、特に冷蔵室での保存をお勧めしています。
詳細は過去のコラム「玉ねぎの芽が出ない保存術=野菜室をお勧めしない理由」を参照してください。

秋以降の淡路産玉ねぎで芽が出やすい理由は、
冷蔵貯蔵されていた玉ねぎを
常温で保存してしまう
という、環境のミスマッチ
にあります。

保存方法を少し変えるだけで、芽吹きを防ぎ、傷みを減らし、最後までおいしく食べることができます。